=キング of ビースト= 2




夜琉の方が寝てないはずなのに。


いつも私が眠るまで頭を撫でていてくれて、私が起きた時にはすでにしっかりと目を開けている。


「夜琉は寝ないの?」


「気にしなくていい。」


…そんな事が聞きたいワケじゃないのに。


ただ私は夜琉の事が心配なだけなのに。


どうしてこういう所だけはぐらかすんだろう。


「夜琉も一緒に寝よう?」


「…。」


夜琉の目を真っ直ぐ見て返事をしてくれるまで待つ。


「…ああ。」


結局負けたのは夜琉の方だった。