=キング of ビースト= 2




「余計な事は気にしなくていい。由莉が行きてぇなら行く。」

「…行く。」


私がそう答えると夜琉はキーケースと財布、ケータイを持ってソファーから腰をあげた。


「行くぞ。」


と言ってから私に手を差し伸べてくれた。


「うん。でもちょっと待って、私も財布とか取らないと。」


「あ?いらねぇよ。」


と言って強引に腕を引くから私は何も持たずに倉庫をでてしまった。


倉庫の外にある車庫。


そこにはいつものベンツと一台のバイクが置いてあった。


バイクは黒塗りで金のラインが通ってるだけのシンプルなデザイン。


だけど何ともいえないような存在感があった。


そのバイクにスタスタと歩いて行く夜琉。


「夜琉のバイク?」


「ああ。」


…夜琉にピッタリなバイク。


存在感が大きい。