「っ」 間一髪のところで立て膝をついて踏ん張った夜琉さん。 やはり立っているのも辛いのだろう。 「夜琉さん大丈夫ですか?」 綺麗につくられた顔を見れば額にうっすらと汗がにじみ、眉を寄せて目を瞑っている。 「…。芯ドア開けろ。」 目の前にある夜琉の家のドア。 俺がゆっくり指示通りに開けると、夜琉わゆっくり立ち、玄関に入った。 「夜琉、大丈夫?」 ドアの開く音が聞こえたのだろう。広未の不安げな声が聞こえた。