だけど夜琉さんわ


みんなの期待を裏切り普通の下っ端だった俺を、選んだー…。



和弥さんが引退してから2週間後の集会の時だった。


あの時の事わ今でも鮮明に覚えている。



普通通りに進められた集会の最後に、



『特攻隊長を発表する』



璃玖さんの言葉が、緊迫した空気を創り出した。



『那龍16代目特攻隊長わ…ー



南 颯ー…』


発せられた言葉に俺の頭わパニックで、周りわ一気にざわめきだす。



「颯って誰?」


350人いる那龍で、俺の名前を知らない奴なんていっぱいいた。



「つか、光希さんじゃねぇの?」


「え!?まじかよ。誰だよ決めたの?」


混乱しだした倉庫に、今まで黒いレザーソファーに腰掛けていた夜琉さんが立ち上がった。



すると、静かになる広間。