「芯、いくら何でもそれわ無理だー…。」



「どうして?」



「由莉をこのまま置いていく?馬鹿言うな。」



「…。」



「正直今だって由莉に会いたいし、この家に連れ戻したい。



俺と莉菜の一番の宝なんだー…。」



「…。」


「…夜琉の家になんて預けたくなかった。由莉わ俺の娘だからー…。




でも、夜琉と会った時の由莉の顔を見たら


適わない、と思ったよ…。」



有志が日本に帰ってきた日の事。



夜琉が由莉を迎えに行った日、玄関前で、顔を合わせた事を言っていた。




「まぶしすぎるぐらい幸せな顔をしてたんだ。




今の由莉にわ夜琉が何よりも必要で、大切な存在だと


顔を見ていたらすぐわかったよ。」



「…。」


「俺達が育てた由莉なのに、出会って間もない夜琉にしか見せない顔をしていたー…




その顔を見たから、俺わ夜琉に由莉を預けたー…。」