=キング of ビースト= 2




「有志、またいじってるの?」

お茶を持って来たらしい莉菜さんが呆れたようなでも、嬉しそうな顔をした。


「ついな、面白くて。」



…嘘つけ。


タメ語で喋らせる為にマジになってたくせに。



「ごめんなさいね。有志わ、暇さえあれば人をいじるのよ。」

「…。誰をいじってるんですか?」


「…まぁ、私とか、志音じゃない?由莉にわ絶対にしなかったけど。」


「…そうなんですか。」


「…でも、志音がいなくなってからわいじってたりしてなかったから。2年ぶりぐらいに見た。」


「…。」


一瞬びっくりした。莉菜さんの口からなんのためらいもなく、志音さんの名前が出た事に。



嬉しそうだったけど、悲しそうな顔をした莉菜さんを見て有志わ


「…―莉菜。」


甘い声で呼びかける。


「ん~?」


「おいで。」


と言って自分の座っているソファーの隣をポンポンと叩く。


有志が向ける優しそうな顔や、甘い声わ莉菜さん限定で。


相変わらず、仲が良いようだ。


何も言わずに隣に腰掛けた莉菜さんに


「…愛してる。」


と呟いたー…。