よく晴れた日の午後、
誠は稽古を終え
部屋へ帰るために廊下を歩いていた



「あー今日も疲れた
沖田さん手加減しないんだから………え?」


ぶつぶつと独り言を
言いながら歩いていた
誠の足がそこで止まった


「誰この人、暑くないの?」

まだ暑いのに、全身黒ずくめの男が
廊下に寝転がっていた


「誰ってか、たぶんこの格好
山崎さんなんだろうけど…」


誠がじーっと見つめていると
視線を感じたのか
男が目を覚ました



「見物料取るで」


「うわぁあぁぁ!」

いきなり話しかけられ
誠は驚いて後ずさりした


「おもろい子やなあ
俺は山崎 丞、天才監察やで!
だから君の事も知っとるで」


(…何この人うざっ)


「そんな、引かんといてや」

「いや、普通引きます」



「まあ仲良くしよな」


「全力でお断りします」



そう言って誠は走っていった