空には星が輝いている。

あげははまだ来ない。

オレはまだここで待っている。

連絡も来ない。

待っているのは、あげはを捕まえるためだ。

「蝶々を待っているの?」

ヒールの音が響く。

オレの前にあげはの友達、あげはは星良と呼んでいる男が立っていた。

「無駄よ。あげはは来ない。本人から連絡してきた。鮎川くんを連絡して欲しいって。番号を聞いたけど、直接話したくて」

そういうとオレの隣に座った。

その仕種は女のものだ。

「あげは、あんたと別れる気よ」

「あ?」

どうしてお前がそんなことを知っている。