「俺はユカちゃんあんまり好みじゃないけどな。ミナのほうがかわいいと思うよ。」 嘘でも嬉しかった。 飲んでるせいか、少し泣きそうになる。 「ありがとう。けどね、こうやって一生懸命キレイにしても、心のどこかではユカに負けてるって思ってるし、強がってるけど、本当は自分に自信がないの。」 顔をあげることはできなかった。 今、顔をあげたら、泣くのを必死で我慢して、ブサイクな顔をしている。 ソーダの泡のたっているカクテルを見つめて、なんでこんなこと吐露してるんだろう、そう思う自分がいた。 松崎の手がミナコの腰にまわる。 ミナコの体をそっと引き寄せるようにして、松崎はささやいた。 「ミナちゃん、泣かないで。続きはホテルで話そうか。タクシー呼ぶから。」