一番後ろのドアの前に
二人は押し混まれて
満員電車の中のようだ。

満席で100人の会場に
200人以上の客が入っている。

前列の客席は手を差し出せば
バンドメンバーに触れそうな
距離である。

メンバー7人は、髪をハードジェル
で固めて、髪の色はそれぞれに、染め
化粧して、誰かわからない?

でも、面影はあり、7人全員は
イケ面であることは!判る。

客は全員立ち上がり手をあげながら
踊っている。

ライブ会場が初めての夢子は
その熱気とサウンドにビックリした。

音が夢子を襲っているように、
身体を突き刺す! 

この体験をすれば誰でもはまる!
アイドルのコンサートなど
問題にならない位、体中が火照り

自然に夢子は身体をくねらせ
音にあわせて他の観客のように
踊りだした。

翔の声が夢子の身体を突き刺す
もう!夢子は翔に犯されている。

夢子は心地よく大声を放していた。

隣の美果は、その音に酔えず
衛のドラムをたたく姿を
ジット見つめていた。

美果は衛はずるいと思った。
こんな風に気持ちを
発散させる事
ができて・・

私には何も無い!

夢子は全身に汗をかき
ながら翔の姿を見つめている

翔は後ろで踊っている夢子を
見つめ激しく歌う!

自分の
気持ちが伝わるように!

最後の曲を翔は歌い終わり
観客にいつも通り

「ありがと!愛してるよ!」

そう叫んだが思い余って
その後に

「夢子!」と付け加えて
しまった。

それを聞いた夢子は
ライブで興奮している事
もあり大きな声で

「私も!愛してる!」

そう叫んでしまった。