「この写メ、どうしよかな」

小杉は美果を脅し始めた。

美果は涙さえでない
悲しみと怒りで
顔が紅潮していた。

「消してください!」

「やだね」とふてぶてしく

小杉は美果に言う。

「俺と付き合えば、消しても

 いいよ」

「いや!」

美果は大きな声で返事をし
小杉を無視して歩き始めた
ひつこい小杉は、美果を
追いかけながら・・

「おい!美果!

 気が変わったらいつでも

  電話くれ」

「この写メ、ばら蒔かれて、欲しく

なかったら早く返事くれよ!」

小杉の卑劣な言葉に美果は
涙を流しながら走り出した。

そして衛との初めての
デートの場所!

馬事公苑へいつしか美果は
逃げていた。

衛に助けて欲しい
でも、あの写メを衛に見られるなら
死んだほうが益しだ。

こんな事、相談する事ができる人は
美果の周りには誰もいない。

まじめな人間より不良っぽい人が
好きだった自分の幼い無知な考えの
代償としての、ものか?

後悔しても、もう!遅い。
不良はやっぱり
心も汚い!だから不良なんだ。

小杉のことだから、このままでは
済まないとと思うと不安でたまらない。

夕日を浴びて走る馬を見ながら
このまま死んで仕舞いたいと・・

美果と小杉のデートを目撃した
衛は、中央病院で下車して
千裟の病室へ向かって行った。

何度も通っているせいか
病院のスタッフにも顔を
覚えられ千裟の恋人と
公認されている。

廊下ですれ違った看護師が

「衛君、かずちゃん最近

不眠症で昨夜も寝てないそうよ」