学校の帰り同級生の大田が

「マモ、美果と付き合っていた

なんてなんで俺に教え
   
   ないんだ」と

不満げに言い出した。

大田は中学からの友達で
轟グループの仲間だった。

轟グループは歴史が古く
戦後まもなくでき
轟中の卒業生や現役の
中学生の集まりである。

暴走族や不良グループ
でなく遊びや情報など
共有する仲でむしろ
不良などもこのグループ
に入ると更正する。

他の中学校の生徒も
うらやむほどの
仲間達の集まりで場所柄
芸能人の子弟も多い

東京にある高級住宅地の
一つである為か
育ちの良い生徒の集まりだ

「いや!信じられないかも

知れないが、今日の朝・・」

衛は今日の美果との
出会いを話した。

大田も納得して

「じゃ!美果の

噂知ってるよな?」

大田は衛に言った。

「どんな噂なんだよ?」

「お前知らないのか

 美果と小杉先輩とのこと」

「知ってるよ!」
 
「去年別れたって

  美果が言ったよ」

「それだけか!別れた原因
 
 知らないのか?マモ」

「小杉先輩、女にだらしない

 から美果に浮気でも
    
 ばれたんじゃないの?」

バスの車窓から砧公園を
見ながら
気楽に大田の興奮した
言葉に耳を傾けていた。