保健室のドアを開けると、明らかに廊下とは違う消毒の匂いがした。

「先生いない…」


お昼だからか誰もいない保健室。

清潔感丸出しの真っ白なベッドに遠慮なく体を預ける。


サボりじゃないよ。お昼休みの間だけ、クラスメートも誰もいない場所にいたかっただけ。

ほんと、ちょっとだけお昼寝ができればいいの。

だって眠れなかったんだもん。


心の中で、誰に言うわけでもない言い訳なんか呟いて、硬い枕に頭を乗せる。


「ふあ~、眠い」

大口あけて欠伸をもらした時、ガラッと勢いよく開いたドアは、またすぐ勢いよく閉まった。


保健の先生かと思って体を起こすと、意外な人物が飄々と近寄ってくる。

ブレザーを肩にひっかけて制服を着崩して、ズカズカと歩いてきて、あたしの隣の開いているベッドに潜り込む。

白いカーテンを引いて、あたしとの空間を遮断したアイツ。