「な、なに?」 「美砂ってさ、いい奴。後藤くんが惚れるのもわかるよ、後藤くん見る目ある」 「なに、急に…」 「いいの。美砂だからやるんだから。「利用」じゃなくて「頼ってる」って言って」 そう言ってロッカーから化学の教材を取り出すマリナ。 なんか、今までちょこちょこと教師がマリナだけには強く物を言わないところを見かけていたけど、そういうことだったのか。 見ててもあまりにも些細なことだったから気にしてなかったけど。