MATO



変に興奮してた頭が冷えたけど、あたしの覚悟が消えたわけじゃない。

あたしだって例外じゃない。「覚悟」を持ってここにいる。「自信」があってここに立っている。




『控え準備お願いします』


あたしの番号が呼ばれ、順番通りに椅子に座る。

それからはあまり覚えてない。ただ順番がきて呼ばれて会場に入って的が視界に入って…
審判員の合図であたしの頭は何も考えなくなった。

ううん、

…考えないないようにした。

考えたらきっと、中らない気がして…

何かを考えだしたらキリがない今のあたしの頭はきっと宇宙状態。

だからむしろ何も考えない方が楽だった。
ほっといたらごちゃごちゃと今更なことを考えてしまいそうだから。

そして自分の考えたことに悲観的になって自虐的になって悲劇のヒロインを演じる。

最早あたしの物語の中であたしは既に悲劇のヒロインなわけだけど、それでも何も考えない方がまだマシ。