会場から皆中の拍手が聞こえた。 ……後藤かもしれない。 大きく息を吐くと何かがふっきれたような気分になった。 「美砂~大丈夫?」 控室に戻ってきたらゆかりが駆け寄ってきた。 後藤も奥にいる。 「大丈夫」 二人にそれだけ言って、矢と弓を持って巻藁に向かった。 今、後藤に会ったら決心が鈍るかも知れない。 ……大会が終わるまで。あたしの立が終わるまでは後藤との接触を避けたかった。 大会が終わったら、後藤とちゃんと話をしようと思う。 だから、あたしは今日、この立に全てを賭けてみる。