MATO



いつもの射。
後藤が綺麗だと褒めてくれた、あたしの射




「………………。」



弓道を始めた時に最初に教えてもらった射とは違う。
もちろんその射が間違っているわけじゃない。
長い時間弓を射ってきて、そのうちに自然とあたしの射になってきたのだ。

体配と射からその人の人格が見える。
まさにその通り。
どんなに誰があたしの射を見本にしてマネしてみても誰もあたしの射はつくれないのだ。



「…………。」



【佐藤の射ってすげー綺麗なんだよな】