「お疲れさまー」 「美砂お疲れ、明日がんばってね!」 部活後、考えごとがしたくて金田に練習するからと許可を貰って一人道場に残った。 誰も居ない道場。 この道場の第一射場の大前の立ち位置(1番前にある的を射る時に立つ位置)の前にある壁には大きな全身鏡がかけてある。 練習の際に自分の射が見れるようにと置かれている。 一番的に立ち、いつものようにその鏡を見ながら弓を引き分ける。 そして的を見て狙いを定めて妻手(弓の弦を引く側の手)が弓から離れる。 ――トンッ 力強い音と共に矢は的に中る。