MATO



恋する乙女でも言うことは言う。
マリナはどう変わろうとマリナだと思った。

そのマリナの一言にみんなが笑って、場の雰囲気が和んだ。

純粋に、その空間が楽しくてあたしはずっと笑っていた。

昼休みが終わるとマリナが
「美砂があんなに笑ってたの久しぶりに見た」と言った。

一瞬戸惑ったけど、そうかもしれないと思った。
親友のマリナがいて、大好きな後藤がいて、みんなが笑っていて、その「今」がとても幸せに感じた。

ちなみに、「大好き」なんて恥ずかしいから後藤には言わない。てか考えただけでも恥ずかしい。
そんなこと言うの、あたしの柄じゃないじゃん…


「美砂、顔赤いけど。何妄想したの?」

「妄想なんてしてない!」