ＭＡＴＯ

「そういえば、美砂と後藤くんは初デートの予定は立ててるの？」

「ううん、まったく」

「は？何ゆってんの美砂。てか後藤くんも美砂の返事に頷かないでよ」

「だって休日は全て朝から晩まで関東大会の練習だからデートする時間なんてな
いよ」



県大会が終わってから、金田が異様に張り切っているのだ。このままだと全国大会が終わるまであたしと後藤に休日はないだろうな。

強化練習するのはあたしと後藤だけだから、他の部員は休日の午前は部活があって午後はない。
午後だけ弓道デートなんて言ってもいいが、残念なことに午後は金田と師範が来て直々に指導するから後藤と二人きりなんて全然ない。


「弓道づくし…か。……美砂らしいね」

「どうも」