「その彼氏でありライバルでもある、美砂の後藤くんの彼女を一目見るためにこんなに教室の廊下に人が集まってるのね。大変だねご苦労様」
呆れた声を出すマリナ。
廊下に目を向けるといつもより人が多い。
今日は朝からいろんな人があたしたちの教室の前を行ったり来たりしている。
その人達の視線の先はあたし。
今更ながら後藤の人気さを実感した。
そりゃそうだ。
見た目もかっこいい部類には入るだろうし、弓道で全国区の強さを持っている。
そしてまあ…優しいし
いやいやいや…
惚気みたいになってきた
「あんまご苦労とか思ってないよね」
「うん」
人事は人事。
マリナらしくて笑った。

