「佐藤!」
「な、何」
少し警戒すると後藤は遠慮したのかあたしと少し距離を置いて話をした
「…急に困らせてごめん」
「え、いや…」
「本気だから、本当に…佐藤のことが好きだから、だから佐藤も俺のこと少しでも考えてみてほしい」
こうして見る後藤の顔は確かにマリナが言ってた通りかっこよかった。顔はね
「…後藤は何であたしが好きなの?弓道を真面目にやる姿を好きになったとか意味わかんない」
小さな声で言ったあたしの質問に後藤は少し笑いながら、照れながら答えた
「自分じゃわかんない?佐藤の射ってすげー綺麗なんだよな。最初は射に惚れて佐藤を見るようになって、並外れた努力をしてるんだなと思って感心してた。部活中、何しても佐藤を目で追うようになって………」
話の途中で今までは恥ずかしかったのか目線を反らしていた後藤はあたしの目を見て、視線が合うと話を続けた
「いつのまにか、佐藤のことが好きになってた」

