「………」


しばらくの間無言の亜鶴。


何も言わないあたしに諦めてくれたんだろうとばっかり考えていた…。


しかしそれは間違いだと気づかされたのは亜鶴がとある行動をしそうになってから。


亜鶴がホントにキレると誰も止められない。


たとえあたしより付き合いの長い紫葡でもそうらしい。


だから身のためにも亜鶴のマジギレだけは避けてきた。


ま、少しのことだと怒らない心の広い亜鶴のマジギレを避けることは簡単だったが…。


ただ友達のこととなると別だと聞いた。


それって…本当に友達のことを思ってないとできないよね…。


亜鶴の不器用な優しさが心の中に染み渡る。


俯いているため顔は見えないがどんな顔をしているのか気になる。


その時の亜鶴の顔は見たことのないような…


それはそれは素晴らしく怖い…


般若のようだったらしい………。


「ちょっとゴメン、魅夜」


カタン…と席を立った亜鶴。


行動が分からずに見上げると亜鶴の視線の先には…あたしの彼氏と髪の綺麗な女性。


これは…ヤバい!!