「あたし…

稜が好き」


この言葉も視線を逸らさずにきちんと言った。


稜は俯いていた顔を上げ、キョトンとした顔をしている。


何を言われたのか分かっているのか疑わしい…。


何も喋らない稜。


………。
……………。


長い沈黙が続く。


「ちょっと…稜。 あたしの話、聞いてた?」


顔を覗き込みながら聞くと稜は真っ赤になった。


??????


「あ…あぁ。 聞いてた…。 つかマジで言ってんの?」


そんなの…


「マジに決まってんじゃん」


真っ赤であろう顔を下に向けながら言った。


「俺も…魅夜が好き。 だから、付き合って?」


そんなの…決まってんじゃん。


「ぅんッ!」


嬉し涙が頬をつたっていたが気にせず思いっきり抱き着いた。


「ぅわ!」


少しバランスを崩したがすぐに立て直した稜。


あたしの涙をそっと拭って顎を軽く持ち上げる。


━━━今までに見たことのないくらいの極上の笑顔を向けて


あたし達は唇を重ねた━━━。