「琶荊さんは俺のお気に入りだから☆」


軽〜く言ったこの一言。


お気に入りでもなんでもいいから早く帰してくんないかな?


イライラは顔に出さず心の中で呟いた。


そのあとスグに元の場所に帰された。


しかし…。


男子にひっきりなしに呼ばれて寝れる暇がない。


だいたいあたしが何で男子達のお気に入りで呼ばれてんのよ!!


さっきから女子の視線が…。


妬みとかではないんだけどなんか見られるのってヤダ…。


そしてあたしのクラスから出ていた男子に驚いて目が丸くなった。


なぜなら絶対嫌がって出ないと思われる人物・稜だから。


女子から五月蝿いくらいの悲鳴…いや、叫び声。


てか稜にお気に入りの人なんていたんだ?
かなり意外だったな…。


なんて呑気に考えていたあたしは聞こえてきた言葉に固まった。


「誰ですか!?」


興奮気味な司会の人。


それに冷静で爽やかな嘘臭い笑顔を浮かべて…とんでもないことを言い放った稜。


「僕は…」


女子もシンとなり固唾を飲み込み稜の次の言葉を待っている。


「琶荊さんで」


………。
………はぁ!?!?