あの日から雪斗は毎日のように連絡をくれた。


稜からもきていたが…すべて無視した。


何を言われるのか分からなくて…怖くて…。


臆病なあたしは『無視』という手段を使って逃げていた。


その行動がさらにこれから先の…あたしと稜の運命を狂わしていくなんて…。


……………。
……………………。


寝ても覚めても思うのは稜のことばかり。


いつの間にかこんなにも好きになっていた…。


最初はキライだった。


表は優等生で先生からの信頼も厚くて、王子様的な稜。


裏は俺様で強引で意地悪な稜。
それ以上に優しいところもあったけど。


ギャップにやられたわけでも、表にやられたわけでも、裏にやられたわけでもない。


表も裏も全部引っくるめて好きになったんだ。


だけど…恋は思った以上に難しくって…。


片思いよりも両思いの方が断然、難しい。


そして…恋は臆病になるし新しい自分の一面も見つかる。


恋すると…自分が自分じゃなくなるみたい。