「屋上に来てくれる?」

あたしは静かにそう言った。

「ああ」

今からあたしが話す内容を
悠斗君は察知したと思う。

それでも、何も言わずについてくる。

怜奈と奈央ちゃんも一緒に来る。



「で、話したいことって?」

いつもと変わらずニッコリ笑う悠斗君。

「あのさ…………

 てかさ、何かあたしに謝る事ないわけ?」

抑えていた怒りが突然出てしまった。

これには悠斗君も予想外だったらしい。

「…ないよ?」

「おいてめぇ!!!!ふざけんじゃねぇぞ!!」

これまでにないくらい、
あたしは悠斗君に声を荒げた。

「何で怒るわけ?
 だって俺たち、恋人でしょ??
 キスだってハグだって
 恋人同士なら当たり前だろ?」

「あんたが良くてもあたしは
 嫌だっつーの!!!!!」

「じゃあ何で俺の告白
 OKしたんだよ???!」

「その時は好きだった!!

 けど…
 今はそういうところが嫌いな」


グイッ…


言い終わっていないのに
強引に止められた。

それも…強引なキスで。

「ちょ!!大城やめろって!!!!」

怜奈が間に入ろうとする。

「来るなっ!!!!」


でも、悠斗君はそれをかわして
あたしの首に腕をまわした。

「これ以上近づいたら俺と
 一緒に愛海も落ちるからな!!」
 
そう言って貯水タンクの上に登る。