「ちょっとお父さん?この人が何なの??…だいたいあたし、頼むとか言われても人の相談とか受けら…」

『その人がお前の一人目の相談者だ。よろしくたのむぞ~!』


ブツッ

は?

「え…ちょ…っ!?」


ツー、ツー、ツー...

慌てて耳から離すと、通話時間を示すカウンターは動きを止めていた。


…く…クソ親父…っ

一方的かつ適当に話終わらせやがった…


耳障りな機械音を遮るべく、終話ボタンを押す。

調子の異なる相手との通話を終えて、どっと疲労感が押し寄せてきた。


結局自分の言いたいことだけ言って切られて、なんかよくわからないままだし…

はあ…仕方ない…


がっくりと落とした肩を無理やり引き上げ、顔面に作り笑顔を貼り付けて再びあたしはくるりと彼に向き直った。


「あのー…ごめんなさい…高藤はおとといから入院してまして、当分学校には来れないから、東雲くんの相談は受けられないんですけ…」


「あなたが、先生の娘の?」


うわ、コイツ丁寧口調であたしの話を遮られましたぞ…


貼り付けた笑顔をはがさず、あたしは答えた。


「…娘の高藤葉月ですけど…だから父は…」


「高藤葉月、ね。ふーん…

メールじゃあなたが俺のこと助けてくれることになっていますけど?」