ManyLove




「あッコレはね、“坂月七海”っていうんだよ!!(汗)えっと、僕達とは違って、七海は理事長の“息子”なんだ」



火花を消化した一言。

いや、消化せざるを得なかった一言。

だってコイツが、この学校の理事長の息子だなんて。

どうしよう!!

睨んだり、火花散らしたりetc・・・。

あぁ、退学だぁ(泣)

これまでのあたしの失態で負のオーラを纏い始める。

一気に落ち込む。

そんなあたしが普通なのに、コイツは鼻で笑ってきた。



「お前分かりやす過ぎ。心配すんな、退学なんかになんねーよ」



口角を少し上げながらあたしを見下してくる。

退学にならないのは嬉しいんだけど、理事長の息子だって分かってるけど、ムカつく。

こんなのが息子なら理事長も理事長だな。



「朱奈ちゃん、気にしないで。口が悪いけど、七海は一種の人見知りなの。慣れれば平気だから。それより説明始めるよ?」



ニコッと悩殺スマイルの克樹が目の前に現れた。

千尋も克樹の隣に立ってあたしの手を引く。

細くて繊細な指が優しく触れる。

やっぱり可愛いなぁ。



「あ、うん」



手を取られながら、あたしは克樹の方を向く。

克樹の後ろには、相変わらず冷たい瞳で他所を見ているアイツ。

腕を組み、壁に寄りかかっている。

コイツが理事長の息子、ねぇ。

まだ信じられない。

・・・てゆうか、なんであたしがここにいるの?