ManyLove



少しずつ中が見えてくる。



「え・・・?」



中が見えると一緒に、現れる2人。

この顔も見覚えがあった。

大きな瞳の持ち主と、綺麗な黒髪の持ち主。

お人形と、純日本人・・・?

なんで、ここに?



「遅いよ~、七海」



お人形が小走りでこっちに寄って来る。

七海?



「うるせぇ。コイツがいつまでも教室にいるなんて思ってなかったんだよ」



アイツの声が後ろから聞こえた。

しかもお人形への返事。

まさか、七海ってコイツ?

入学式の言葉を思い出す。


『え~、じゃあ次は“坂月七海”くんからお話です』


意識して聞いてなかったから、記憶が薄い。

へぇ、そうなんだ。

1人で頷く。



「じゃあ、朱奈ちゃん。部屋に案内するよ」



女子を失神させた笑顔で、純日本人はあたしの手を取ろうとした。

その時、あたしの手首に目が行ったらしい。

アイツの力で付いた跡に気付いた。

赤く腫れてしまっている手首。

純日本人は優しく撫でると、アイツを一瞬睨んだ。