ManyLove



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『えー、そういう事で、本校は・・・』



体育館。

入学式での校長の長い話に、皆疲れている中、あたしは1人、寮の事を考えていた。

結局、時間があれば寮について考えてしまっていた。

変なヤツが言っていた“俺達の部屋”って・・・。

“俺達”ってやっぱり、あの3人なのかな?

それにあのお城みたいなのが寮?

条件って何?

消えない疑問があたしの中でグルグルと廻る。

グルグル廻って、更に大きな疑問になる。

う~ん、と唸るあたし。

そんな時、目の前のステージにある人が現れ、頭が真っ白に。

な、なんでアイツが?



『えー、じゃあ次に“坂月七海”くんからお話です』



司会を務める先生が、サラリと言った。

入学式の内容が全く頭に入ってなかったあたしは、いきなりの事で上手く整理できない。

一体アイツが何を話すの?

てかなんでアイツがステージに?

違う疑問で頭の中はグッチャグチャ。

それでもあたしは耳を傾けた。

一礼し、アイツは口を開いた。

さっきとは別人みたい。

顔つきが違う。



『皆さん、初めまして。紹介に上がった“坂月七海”です。皆さんと同じ1年です。』



へぇ、アイツ1年だったんだ。

分からなかった。