ManyLove





―――――――――――――――
――――――――――
―――――



「あーあ、行っちゃったよ」



そう言って呆れたように頭を掻く克樹。

汚れのない黒髪がボサボサになる。

その視線の先には、現行犯の七海。

反省の色なんか全くない。



「なんで俺を見るんだよ」



そんな七海に、克樹と呆れる千尋。

もー、と頬を膨らます。

冷たい視線が七海に集中。

空気が凍る。

さすがの七海も反省の色が見えてきた。



「悪かったよ」



「それ!!それを“朱奈”ちゃんに謝ればよかったんだよ」



「千尋の言う通り」



首を縦に振る2人。

七海はその意味に気付いた。



「おい、まさかお前ら・・・」



「フフッ、その“まさか”だよ」



微笑む克樹。

その笑顔に七海は引き攣った。