姫密桜

電車に揺られながら
見上げる空は、晴れ渡っている

私達の未来は、きっと
明るいはず。

もしも、困難な道ならば
槇と二人で乗り越えてみせる。

働く事だって苦じゃない。

お父さん・・・

大切に育てられて、学校に
まで通わせてもらったくせに
途中で放棄して槇と出ていく
私を許してください。

ごめんなさい・・・

携帯電話を弄る、槇。

「サクラ、どうかした?」

私は、顔を左右に振る。

「ううん、何でもないよ
 カイちゃん、なんて?」