姫密桜

あの時、困った表情の槇を見て
貴方を困らせちゃいけないと
溢れる想いを胸の奥、ずっと
深くに閉じ込めた。

隠し続けた、貴方への想い
は、私と共に時を歩む。

『今年も、まだ・・・
 
 マキが好き』

毎年毎年、その想いは
褪せるどころが色づいて
私の胸、いっぱいいっぱい
に広がり膨らんでいく。

苦しくて息も出来ないぐらい

限界ギリギリ

そんな私の秘密の恋を
知っていたのは、そう
あの庭桜、カノジョだけ・・・

カノジョに槇への想いを
聞いてもらっては、私は妹に
戻り、槇の傍で生活を送る
日々を過ごした。