姫密桜

悪戯に時だけが過ぎていく。

何も変わらない。

ふう、ほんと自分が
嫌になるよ。

当たって砕ける勇気も無い

真夜中・・・

寝静まった、一階からは
物音ひとつしない。

薄暗い階段を上ると、二階
そこには、子供達の部屋が
並ぶ。

櫂の部屋も、槇の部屋も
今夜は留守・・・

桜の部屋、少し開いた
ドアから洩れる光。

ここは、槇の部屋。

そう私は今、槇の部屋に
こっそりと、しのびこんで
槇のベッドに腰を下ろす。

締め切ったままの部屋は
とっても暑苦しい。