姫密桜

「大丈夫、軽い軽い
 母さん、おやすみ」

「おやすみなさい」

私は、夢の中・・・

とっても、いい香りに包まれる

大好きな香り・・・

夢の中、私の唇に触れる感触

やわらかい・・・

そう、それは、プリン。

夢の中、私はプリンを食べる
大好きな槇と一緒に。

「マキ、おいしい?」

その声に立ち止まった槇は
眠る桜を見つめて、微笑み
桜の部屋のドアを閉めた。

槇の帰りを待ちくたびれた
私は玄関先でいつの間にか
眠ってしまったよう。