姫密桜

「顔色、悪いよ
 大丈夫なの?」

「オリグチさん
 あなただって、悪い」

私の言葉に、折口さんは
口元を緩めた。

「もう
 ずっと、悪いまま
 毎日、頭痛・・・」

ここは、お昼御飯を
槇と過ごす事のできる
私達、二人にとって
お気に入りの場所。

町並みを見つめる、彼女が
話始めた。

「あの話には、本当驚いた
 マキの愛を独り占めする
 憎い貴女と私が異母姉妹
 だなんて・・・
 
 まさか、こんな展開
 お昼のドラマじゃ
 ないんだから・・・」

「そうだね、私も驚いた
 大嫌いな貴女と
 姉妹だなんて」

「大嫌い、言うわね?」