私の声を、私の前に並ぶ
和歌子も聞いてる。

「なんだぁ、そうなの
 
 結局、諦めたんだぁ
 
 お騒がせな割には
 案外、簡単なんだね?」

その言葉に振り返る、私と
和歌子。

「サエグサさん

 あなたに、サクラの何が 
 分かるの?」

何も言えない私に代わって
あの大人しい和歌子が言う

「何も、分からないよ
 分かりたくもないわ

 応援してたのに
 がっかり」

和歌子は、三枝さんに
歩み寄る。