そんなことを思う、私がいる

私は、また、貴方を見つめる

槇の隣に並ぶ、クラスメイト
の女子が、槇に近づいた。

そして、槇の手に触れる。

「本当だ、クスミ君
 手に何、書いてるの?」

後ろの女子も、広げた
槇の手を覗く。
 
「牛乳に、たまご?」

「何、クスミ君
 お母さんに、お使い
 頼まれてるの?」

「ああ」

「マキ、お前
 それぐらい、書かなくても
 覚えられるだろう?」

「まあ
 クセ、みたいなもん」

笑い合う、声・・・