姫密桜

「サクラ、お前は
 何も心配しなくていい

 約束どおり、俺が卒業したら
 一緒に・・・」

言わなきゃいけない・・・

「マキ、聞いて
 就職するの、やめなよ
 しんどいだけだよ
 
 学校、行けばいいよ
 マキ、頭だっていいのに
 勿体無いよ、進学しなよ」

私、今、自分が何を
話しているのか分かんない。

槇の顔が見れない・・・

見つめるのは、自分の指先。

「何それ・・・
 
 サクラ、お前
 どうして、そんな事を言う?
 
 交わした約束を
 忘れたとは言わせない」

槇のいつも以上に冷めた
低い声に、私の胸は動揺する

泣きそう・・・