姫密桜

恋人同士で過ごす時間は
家族の時間のものとは違う。

幾ら同じ場所だったとしても
この空間は、かけがえの無い
二人だけの時・・・

手を繋ぎ合い、見つめ合う
と、ドキドキと高鳴る胸・・・

こんな風に、キスだって
できちゃう。

嬉しいはずの心が、酷く痛むよ

「一通りみたら疲れたね
 マキ、何か飲みたい」

「サクラ、あそこ」

自動販売機で槇にジュース
を買ってもらう、私。

「マキ、ありがとう」

二人は、ベンチに座って
ジュースを飲む。

ごくごくごく

勢いよく飲む、二人。

「サクラと、こうしてデート
 できるのも、アニキの
 おかげだな
 
 あの人、しっかり
 貯金してるから」