姫密桜

「チグサ
 
 サクラを早く連れて
 行きなさい」

「はい・・・
 サクラ、行きましょう」

「いや
 
 私は、どこにも行かない
 
 ここに居る」

私は、傷ついた姿で立つ
槇に、そっと抱きついた。

「こらっ、サクラ
 
 離れなさい
 
 離れないか・・・」

「サクラ、聞いて
 俺は、大丈夫だ
 
 お母さんと一緒に
 下で待ってろ・・・」

槇の胸に額をあてて
私は、顔を左右に振る。