姫密桜

授業中、わたしはずっと

早く、終わってほしい
早く、帰りたいと

そう強く思い続けた。

長くて長くて堪らなかった
学校の時間が、やっと終わろう
としていた頃。

帰り支度を整えていた槇に
こそこそと話す声が聞こえる

「ねえ、本当の事か、どうか
 クスミ君に聞いてみようよ
 ほらっ、泣いてないで」

槇の事が好きな女子の集団
泣いている生徒もいる。

男子の、こそこそと話す声。

槇は、机を力いっぱいに
叩いた。

その音が教室に響き渡る。

驚く、生徒達。

「マキ?」

「リュウ、悪い
 今日は、先に帰ってくれ」

「ああ、分かった」