姫密桜

槇・・・ごめんなさい

俯き、流れる涙を拭いながら
保健室へと向かう私の頭に
優しく触れる、那智の
大きな手。

「サクラ、アニキの前で
 キスした事、ごめん
 
 でも、ああするしか・・・」

「ナチは、何も悪くないよ
 
 真実を知られること
 私、ものすごく
 こわかった・・・
 
 ナチ、ありがとう」

「当分は、兄貴との事
 噂されるかもしれない
 だけど、負けんなよ

 アニキを好きな事
 やめんなよ」

『汚い・・・』

「私のマキへの愛は
 汚れた感情・・・
 
 マキを好きでいても
 いいのかなぁ?」

「汚れてなんかねえよ
 
 お前が、一番
 知ってるだろう
 どんなに純粋な想いか
 ・・・」