姫密桜

桜の足元に落ちたお弁当箱を
拾う、梓。

「やめ・・・」

『やめてよ、私のお弁当箱に
 触れないで』

言おうとした言葉を飲み込む

もう、私のじゃない。

捨てたのは、私。

「要らないなら
 私にちょうだい

 大切にするから

 ねえ、マキを
 
 わたしにちょうだい

 お願い」

「何、言うの?」

「オリグチ・・・」

止めに入る、槇の言葉の上に
彼女の言葉が重なる。

「マキと今すぐ別れてよ
 
 マキを私に返して

 貴女は、また

 マキの妹に戻ってよ」

槇の妹に戻れ・・・