姫密桜

私は、その場に駆け寄る。

「どうして、オリグチさん
 貴女が、私のお弁当
 持ってるの?返して」

彼女の手から取り上げた
私のお気に入りのお弁当箱は
宙に浮きそうな程に軽くて

『パン買うからいいよ』

空っぽのお弁当箱が
どうして、ここにあるの?

何、どういうこと・・・?

私は、槇を見つめた。

「母さんに頼まれてお前の弁当
 持って来たけど、サクラ
 お前、パン買ったんだろう?
 それなら、いらない・・・」

「いらない・・・そんな事
 勝手に決めないでよ

 マキ、何?
 私には必要ないから
 オリグチさんに、私のお弁当
 あげたって言うの」

「ああ、ごめん
 残すと母さんに悪い・・・」

「そんな問題じゃないよ」

彼女は、私のお弁当を
食べながら、槇の傍で
楽しいお昼休みを過ごしてたの