姫密桜

部屋へ戻る私の瞳から
涙が零れた。

閉まるドア・・・

今の私、ドラマの続きなんて
もう、どうでもいいよ。

真っ黒なテレビ画面。

私は、ベッドに横になり
枕に顔を伏せ泣いていた。

私は、高校一年生、16歳。

ほんの子供で、何も
知らなかった。

ただ、このままずっと
この家の中で、槇と同じ時間を
過ごし槇の一番近くに存在して
いられると思ってた。

そんな訳・・・

無いのに・・・

槇には、槇の人生があって
ずっとは続かない。

槇は、私と同じ時を
過ごせなくなってもいいの?

それが、とても悲しい・・・