姫密桜

二人は、リビングへ・・・

私は、槇の元へ向かう。

「カイ、おかえりなさい

 あら、あなたまで
 一緒だったの・・・?」

槙の部屋のドア

開いているドア・・・

「マキ、入るよ」

槇は、制服を着たままの姿で
ベッドに横になって、手で額
を押さえていた。

私は、薬を槇に差し出す。

「マキ、はい、薬」

見下ろす私の瞳を、槇は
見つめる。

ひと時、見つめ合う・・・

「痛・・・」

頭の痛さに、槇の顔が歪む。