姫密桜

「あら、そうなの・・・?
 じゃあ、お腹が
 空いたら言うのよ」

「うん
 少し、頭痛がするから
 しばらく部屋で休んでる」

「マキ、大丈夫?」

槇は、私を見つめて
頷いてくれた。

「マキ、頭痛なら
 薬を飲んだ方が
 早く治まるわよ」

「じゃあ、サクラ
 後で、部屋に
 薬、持って来てよ」

「うん、分かった
 すぐ持って行くね」

薬箱から、頭痛薬を取り出す
私は、錠剤をニ錠
落とさないように手に持つ。

「はい、サクラ」

そして、母が差し出した
水の入ったグラスを
もう、片方の手に持った。