姫密桜

彼女に分ってもらうことなんて
この先も絶対に無理だろう。

私が、彼女の立場でも
槇を諦めることできないもの

好きでいること

止められない。

私を見つめる槇の瞳・・・

槇は頭を小さく左右に振った。

『ごめん』

そう、唇が動いた。

部屋へ向かう、槇。

重なる声は、貴方の名を呼ぶ。

「マキ・・・・」

「マキ、着替えたら
 すぐに下りて
 いらっしゃい
 
 ご飯にするから」

「母さん、悪いけど
 俺、今日
 晩飯、いいわ
 
 さっき、ハンバーガー
 食ったから・・・」